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ロジカルシンキング特別講座(第一回)の様子

ロジカルシンキング特別講座(第一回)の様子

2021年11月27日に開催された『ロジカルシンキング特別講座(第一回)』の中で生徒達に学んでもらった内容やその時の様子です。

講義・学習した内容

講義内容はこちらから→

講義中に追加で学習した内容

講義の中で、『クリティカルシンキング』を学生時代の勉強への活かし方についてレッスンしました。

クリティカルシンキングの講義内容はこちらから→

講義中の様子

ここには当日の様子や写真を掲載予定

学習後の解説

今回のテーマ(検討課題)は、紀元前300年くらい前にアリストテレスという哲学者が提唱したと言われている『テセウスの船』という思考実験の内容を扱いやすく改変したものです。

今でもネットで議論されているのを見かけることがあるくらい有名なものです。

現代では、今回のテーマの船(テセウスの船)のように修理等の理由で構成物を入れ替えても

”過去のそれ(船)と現在のそれ(船)が同じものである”

とすることを『通時的同一性(つうじてきどういつせい)』といい、同じものであるとされています。

みなさんの周りでは似たようなことがありませんか?!

斧だったら?

斧だったらどうでしょう?

ある木こりさんが自分で作った斧を愛用しています。

しかしある時には刃こぼれし、ある時には錆びてしまい、斧の刃の部分は3回交換しています。

持ち手部分もとても気に入っているのですが、持ち手の部分は5回交換しています。

木こりさんが、

「私はこの斧をずっと何十年も使っているから手に馴染んでいて使いやすいんだ!」

と話していることは間違っていると言えますか?

野球チームやアイドルグループは?

野球チームやアイドルグループだったらどうでしょう?

野球チームのメンバーや監督さんは入れ替わりますし、経営者も入れ替わることがあります。

アイドルグループでもメンバーが入れ替わってしまい、最初にいたメンバーが一人もいなくなってしまうこともあるかもしれません。

最初にいたメンバーが一人もいなくなってしまった野球チームやアイドルグループは偽物ですか?

過去に全焼してしまった歴史的建造物や100年前から伝わる秘伝のタレは?

過去に全焼してしまった歴史的建造物はどうでしょう?

日本にも過去に全焼してしまい、新たに建てられた建造物がありますが、今でもたくさんの観光客が見学しています。

100年前から伝わるという常に継ぎ足し続けているという秘伝のタレは?

うなぎ屋さん、焼き鳥屋さんなど、昔から継ぎ足し使っているタレが自慢のお店があります。

科学的には数ヶ月で壺の中のタレは全て入れ替わってしまうと言われていますが、味を均一にする目的や、歴史的・伝統的なタレの壺には長年育ててきた十分な価値があるのではないでしょうか。

バイクや車だったら?

バイクや車だったらどうでしょう?

修理を繰り返し、元々の部品が全て入れ替わってしまったらそのバイクや車は偽物ですか?

現代の法律では

現代の法律上の定義では、船は「船籍」により同一性を認めることができます。

日本でのバイクの場合は、ナンバープレートにより同一性を認めることができるようです。

日本での車の場合は、車台番号の打刻されたフレームが法的に同一だと認める根拠とのことです。

これらも法律と書類を基準にして『過去のそれと現在のそれ』を同じものとして定義しているので、通時的同一性と言えます。

現代の法律では、修理する際に交換した壊れた部品(元々の船の部品)だけで船を組み立てたとしても、それは元の船とは言えず、航海することはできません。

バイクや車の場合でも同じです。

元々のバイクの壊れた部品だけを組み立てたとしても、ナンバープレートのついていないバイクでは道路を走ることはできません。

哲学者アリストテレスの回答

哲学者アリストテレスの回答は以下の通りです。

アリストテレスは、「テセウスの船」で重要なのは、ある事物が「どのような形をしているか」を決める形相因としています。

アリストテレスは全ての現象の在り方は

何でできているか(質量因)

どのような形をしているか(形相因)

誰がどのように作ったか(動力因

何のために作ったかか(目的因)

の四原因(しげんいんせつ)で説明できると考えました。

形相因は、物体の見た目を示します。
テセウスの船は修繕を重ねたものの、見た目は変わらないため、同一といえるというのがアリストテレスの結論です。

何でできているか(質量因)から見ると、船の部品は最初のものから取り換えられ、別の素材が使われているため、同一ではないと言えます。
しかし、誰がどのように作ったか動力因から見ると、船は当初と同じように同じ方法で修復されたと考えられるため、同一であると言えます。さらに、何のために作ったかか目的因もから見ても、船として認識できることに加え、船乗りたちが使用したという事実は変わらないため、同一であると考えられます。

「どのようなあり方か」を考え、「どのあり方が重要なのか」の考え方よって、テセウスの船の答えは異なります。

どれが正解というわけではありません。

みなさんが考え、他の人の意見を聞き入れ、いろいろと悩みながら結論を出すことが大切だと考えています。

クリティカルシンキングを用いて多角的に検討し、いろいろな角度・立場で考えてもらえたらと思っています。

そうしていくことで思考力の幅が広がり、算数・数学の難しい問題や、国語のまとめ問題などに応用していけるようになることで、正しい答えを導き出せるようになってもらいたいです。

後書き

今回、テスト的に開催したロジカルシンキング特別講座ですが、今後、定期的に開催できるかどうかはまだ決まっておりません。

レッスンを受講してくださった生徒さん、見学してくださった保護者様から、レッスンを受けてみてどうだったのかなど、率直なご意見を聞かせていただけるとありがたいです。

よろしくお願いいたします。

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